画像診断ができ、治療にも携われるIVR。針穴ひとつで、手術に匹敵
◆すべての疾患を診る画像診断の面白さにひかれ
初期臨床研修医の時には外科を希望していたのですが、すべての疾患を診る画像診断の面白さにひかれました。その頃に出会った大須賀慶悟先生(阪大病院IVRセンター長)の勧めもあり、阪大での後期研修を決めました。医師になって9年目。2012年に診断専門医の資格を取得しました。放射線科は新しい分野で診断する画像が増え続けていますが専門医の人数はまだ少なく、十分なトレーニングをさせてもらえるのも魅力でした。あらゆる疾患が対象となるので、いくら勉強しても足りないというのが実感です。
◆症例多く、網羅的に勉強できる
放射線科は基本的には患者を持ちません。ただ、患者を診察したいという思いもあり、画像診断ができ、治療にも携わることができるIVR(Interventional Radiology)を専門に選びました。IVRは針穴ひとつで、手術に匹敵する施術ができるうえ、手技がものをいうので比較的外科に近い領域です。トレーニングできる施設は少ないのですが、ここでは症例も多く、網羅的に勉強できます。また、門戸が広いため転科してくる先生もおられ、幅広い勉強もできます。外科系の仕事をしたいならIVR、診断を細かく勉強したいなら診断、患者と向き合いたいなら放射線治療など、自分で働き方を選べ、広い視野が得られるのもいいところです。
◆常に実践 実地で腕を磨いていく
多くの関連病院があることもメリットのひとつです。一般病院で使う前の最新機器に触れる機会もあります。IVRは常に実践。教科書はありません。症例ごと、患者さんの状態ごとによってそれぞれ処置は違いますから、実地で身につけていくしかありません。ケース・バイ・ケースだからこそ、腕を磨く必要があります。緊張はしますが、やりがいはあります。現在は三つの関連施設を外勤で回っています。上司の先生たちの「後進を育てよう」という思いが強く感じられ、励みになっています。気がつけば、実力がついている、そんな感じでしょうか。
Q&A
医師を目指した理由は?
どうしたら体の痛みを取ることができるのか、苦しさを和らげられるのか、と考えた時、医師になり、スキルを磨いて人々の健康に貢献できたら幸せだと思います。
勤務は?
「放射線科は基本的には土日が休み。平日は朝8時半頃から血管造影やIVRを行うこともあります。午後8時からのカンファレンスも多いので、帰りは遅くなりますね。IVRは月に5、6回オンコール(自宅待機)もあります。
今、取り組んでいることは?
IVRを重点にしています。とにかく技術が問われますから。その点、阪大には素晴らしい先生がおられ、症例も多いので、職場環境に恵まれています。すべてを吸収するぞ、という研究心を高めながら日々精進しています。