放射線医学は物理化学的な方法論を用いて生体の情報を画像として捉え、得られた画像から診断を行う学問です。近年、診断機器の進歩と相まってこの分野の発展はめざましく、その重要性が益々高まってきています。
大阪大学 放射線統合医学講座 放射線医学教室では、脳神経(骨軟部を含む)、乳腺、胸部(心臓、肺など)、腹部(消化管、肝胆膵、泌尿生殖器など)の4つの専門グループに分かれて、頭から足の先まで、全身のあらゆる部位の画像診断を担当しています。各分野の非常に優れた専門医を擁し、臨床・研究・教育に積極的に取り組んでいます。専門性を生かすことにより、臨床・研究・教育のいずれにおいても、非常に高いレベルを維持しております。また、画像を応用して経皮的治療を行うインターベンショナル・ラジオロジー(IVR)は、低侵襲で応用範囲が広く患者さんや社会の期待も年々膨らんでおり、当講座でも肝動脈塞栓療法(TAE)はもとより、ほとんどすべての手技をカバーしています。
研究面では、大阪大学医学部附属病院に整備された最新のマルチディテクタCT(MDCT)や高磁場MRIなどを用いた最先端の画像診断学的研究を行い、診断能の向上をめざしています。また、IVRに関しては新たな器具や塞栓物質の開発も行っています。
後期研修医の先生方には、基礎から専門まで放射線診療を行うための幅広い知識と技術を身につけることを目標として、ティーチングファイルなどを用いた体系的な教育を行っています。若い先生方の研修の場としても、大変恵まれた環境であると自負しております。
大阪大学医学部附属病院および大阪府下を中心とした約20の関連病院での修錬を行うことにより、放射線科専門医(日本医学放射線学会)及びIVR専門医(日本IVR学会)の取得が可能で、また、博士号志望者については随時、大阪大学大学院に入学し、臨床修錬と平行しながら放射線診断学に関する臨床または基礎研究に携わり医学博士を取得することを支援しています。
放射線科医は画像を通じて患者さんの診断から治療までをトータルに考え、医療の質の向上に貢献しています。