入局のススメ

後期研修医(専攻医)の声

片山大輔先生 ・藤原政宏先生 ・山形和樹先生

片山大輔先生(後期研修3年目)

放射線科は診断のプロフェッショナル

fujita 初期臨床研修先だった大阪医療センターで、尊敬する先生に出会ったのが放射線科に進むきっかけでした。全身の疾患すべてを対象にし、「人間」をトータルに診られるところが魅力です。最近は専門領域に細分化され、何でも診られる医者が少なくなっています。ですが放射線科は逆です。何でも診られなければなりません。疾患を網羅的に知っているからこそ、あらゆる診断ができる。放射線科が診断としてのプロフェッショナルと言われるところですね。
 たとえ画像に写っていなくても疑問を持ち、考察し、理論的に診断する。そして他科の先生に提案するという仕事に面白さとプライドを感じています。ただ、勉強しなければならないことがすごく多いうえ、検査機器の進歩は日進月歩、いくら勉強しても足りません。ここは大学病院ならではの高度な機器や高性能の読影端末がたくさんそろっていて、勉強に集中できる環境なのは大変助かっています。
 たとえば、近ごろ治療の第一手段になりつつあるIVR(interventional Radiology)は、読影に加え、手技の高いスキルが要求されます。外科手術のようにおなかや胸を切らずに体の奥にある臓器や血管の治療ができる方法ですが、この最先端医療は手技がものをいう領域です。だから、経験の積み重ねが欠かせません。とにかく実践で力をつけていくしかない。ここは手技の種類が多く、十分なトレーニングができます。腕を磨き、信頼される専門医を目指したいと思っています。

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藤原政宏先生(後期研修2年目)

高い専門性と幅広い知識が不可欠

fujita 初期臨床研修の時、緊迫する救急外来の場で画像診断の威力をまざまざと知りました。まさに患者さんの生死にそのまま直結することも多く、医療における画像診断の必要性を痛感しました。画像から細かな所見を拾っていく専門性の高さにもひかれ、放射線科を選びました。
 放射線科はすべての診療科の横断的な知識を持たなくてはいけません。そのうえでCTやMRIの画像から、診断や治療方針、治療結果の判定に不可欠な情報を読み取り、担当医に提供します。もちろん直接患者さんを診たいという思いも強かったのですが、「この画像を藤原先生に読んでもらいたい」と他科の先生から言われるような専門医になることが、患者さんに還元されるはず、と考えました。
 放射線科は病院のクオリティーを担保する、なくてはならない存在です。ですが、あらゆる疾患を知っていないと診断できません。どのような疾患でも対応できるように、幅広い知識が不可欠です。そのために勉強しなければなりません。幸い高い専門性を持った先生方が多くおられますし、オンオフがはっきりしていて、勉強の時間を十分に確保できるのはうれしい。基本は土日が休みです。勉強会へ行ったり、自分の勉強にあてています。なかにはアルバイトに行く先生もいらっしゃいます。
 また、ここを選んだ理由のひとつに関連病院が多いことがあります。約20の関連病院は専門性が高い病院ばかりです。特色ある病院を回りながら幅広く研さんを積めることも魅力だと思っています。

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山形和樹先生(後期研修1年目)

読影には謎解きの面白さがあります

fujita 初期臨床研修の初めのころに放射線科へ進もう、と決めました。この分野の発展がめざましく、現在の医療は画像診断なくして成り立たないからです。もともとコンピューターのプログラムづくりが好きで、読影も難解なパズルを解くプログラミングに似ていると感じました。観察力、論理性、分析力を総動員しての謎解きの面白さが私に向いていると思ったからです。
 放射線科では頭部、胸部、腹部、治療グループを3カ月ずつローテーションで研修し、偏りのない系統だった知識や技能が身につきます。読影は1件ずつマイペースで時間をかけて見ています。疑問がある時は症例を参考にとことん考えます。自分がつけた所見はそのつど、指導医の先生にフィードバックしてもらえるので、最初のころに比べると、ずいぶん読めるようになりました。自信もつきました。
 とにかくたくさんの症例を経験できるのが魅力です。移植や遺伝性の疾患など専門性の高い症例が集積しているところもメリットのひとつです。先輩の先生方の経験と知識に裏打ちされた鋭い読影を目の当たりにするたびに、私もそうなりたいと刺激を受けています。さらにカンファレンスや勉強会、学会にも数多く参加でき、勉強できる環境がすべて整っていると言えるんじゃないでしょうか。大学病院ならではの貴重な経験を積みながら、知識の習得に励んでいきたいと思っています。

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