研究業績

膵胆道術後の肝外肝動脈出血に対するIVR(経カテーテル的治療):救命率と救命に寄与する因子についての後方視的研究(大阪大学医学部附属病院臨床研究倫理審査委員会:承認番号12127)

研究課題名 膵胆道術後の肝外肝動脈出血に対するIVR(経カテーテル的治療):救命率と救命に寄与する因子についての後方視的研究(大阪大学医学部附属病院臨床研究倫理審査委員会:承認番号12127)
対 象 a)適格条件
 以下の全ての条件が満たされた症例
1)膵胆道術後の出血症例の中で、肝外肝動脈(総肝動脈、胃十二指腸動脈断端部、固有肝動脈)からの出血症例
2) 2005年1月~2011年12月の間にIVRが施行された症例
b).除外条件
 手術とは関連性のない肝動脈出血症例
研究機関名 主任研究施設:広島大学
協力研究施設:大阪大学、北海道大学、金沢大学、厚生連高岡病院、福井済生会病院、三重大学、愛知県がんセンター、名古屋市立大学、京都大学、市立豊中病院、高知県立安芸病院、熊本大学、鹿児島大学、沖縄県立南部医療センター
目 的 後方視的に膵胆道術後の肝外肝動脈出血に対するIVRの成績を多施設共同調査し、その現状と有用性を検討する。特に、救命率と救命に寄与する因子を重要課題として検討する。
方 法 既に施行されているIVRの治療結果を評価する。診療録を調べて調査することが主な調査方法である。調査項目は、個人識別、臨床診断、術式、出血の種類、検査所見、画像所見、IVR手技、手技後の結果である。これらの結果をもとに、手技的成功率、術後合併症、救命率、転帰、救命に寄与する因子を検討する。
医学的意義、
社会的意義あるいは
社会的効果
膵胆道術後合併症の中で、肝動脈出血は最も致死率の高い病態である。術後の肝外肝動脈出血に対して、多くの場合、動脈塞栓術が第一選択として施行されてきたが、塞栓術は高い手技的成功率で止血を得ることができる一方で、塞栓術後に肝動脈血流低下による肝不全、出血による多臓器不全での死亡も少なくはない。近年、肝動脈血流を温存して止血するステントグラフト留置術の有効性についての報告も散見されるようになってきたが、その評価は未だ定まっていない。
そこで膵胆道術後の肝外肝動脈出血に対して塞栓術、またはステントグラフト留置術を施行した症例の多施設共同調査を行い、多くの症例を集積して、治療成績(手技的成功率、合併症、救命率、転帰)を検討することは、今後IVRを行う上での道標となる可能性がある。
個人情報の取り扱い 本診療録をもちいた研究であるため、患者の匿名化を行い、個人情報が流出しないよう十分注意する。以下の作業により、登録時の個人情報の漏洩を防止する。 1)事務局から協力施設に調査票を配布する。 2)調査票には個人識別データは、施設名、年齢、性別、治療施行日のみで、患者ID、氏名やイニシャル、住所、生年月日の記入は行わず、得た患者情報は匿名化する。 3)記入された調査票は研究事務局へ書留郵送する。 4)事務局(広島大学病院 放射線部)にて、施設毎の匿名化を行い、全体のデータベースを作成する。
問い合わせ先 大阪大学放射線医学教室 田中 会秀(当院実務担当者)、大須賀 慶悟(当院研究責任者)
当研究の対象に該当される方で、研究への参加をご同意いただけない場合は、問い合わせ先にご連絡下さい。