研究業績

人工知能を応用したVirtual Thin Slice CT画像の有用性の検討

研究期間 実施承認後~2023年12月31日
対象者 2016年1月1日以降に当院にて体幹部(胸部、腹部もしくはその両方)のCTを撮影された方。CT撮影時点で20歳以上の方を対象とします。
研究目的、意義

CT診断において0.5~2 mmの薄いスライス厚の画像(Thin Slice画像)は、通常診断に使用する4~10 mmの厚いスライス厚の画像(Thick Slice画像)と比較して情報量が多くなり、詳細な診断が可能となります。しかし、データ量が多くなるため、十分なサーバの容量がなければすべての症例で使用することができません。また、撮影から日数が経過した後にThin Slice画像を検討する必要が生じた場合、撮影したCT装置にデータが残っていなければ、新たにThin Slice画像を作成することはできません。

新たに開発された、人工知能を応用したVirtual Thin Slice技術では、Thick Sliceの画像からThin Sliceのような画像を作成することができます。この画像が真のThin Slice画像と同様に使用できれば、上記の問題点が解決し、臨床上非常に有用であると考えられます。

本研究ではVirtual Thin Slice CT技術を用いて作成したCT画像が画像診断に有用であるかどうかを、真のThin Slice画像と比較することで検討します。

本研究は富士フイルム株式会社との共同研究として行いますが、画像データや患者さんを特定できる情報は大阪大学医学部附属病院および大阪大学大学院医学系研究科のみで使用し、外部に持ち出すことはありません。

研究に用いる資料・情報

診療上の必要があって施行されたCT検査の画像データを使用して行います。研究のために新たな資料の取得は行いません。

Virtual Thin Slice画像が有用であるかどうかを検討するために、診療録(カルテ)の情報(病歴、血液検査や病理検査などの結果、手術所見等)を参照する場合があります。

個人情報の取扱い

CT画像は本院で匿名化を行った上で解析します。診療録から得られた情報も匿名化した上で、本院のみで参照できる状態で保管します。本研究参加患者やその家族に危険や不利益が及ぶ可能性はありません。患者さんから得られたデータは集積して、医学教育、医学研究発表、医学論文にて公表する予定ですが、個人が特定されることはなく、プライバシーは保護されます。

今回収集する情報は、日常診療で実施されたデータを用いる観察研究です。匿名化したうえでデータを収集し、解析をおこなうため、新たに同意の取得は行いません。なお、本研究に関してはホームページに掲示することで周知を行います。

本研究への質問や参加拒否をされる方(患者様本人もしくは代理の方)は下記に連絡下さい。

問い合わせ・苦情等の窓口
研究責任者:中本 篤
大阪大学医学部附属病院 放射線診断・IVR科 助教
研究実施者:中本 篤
大阪大学医学部附属病院 放射線診断・IVR科 助教
住所: 〒565-0871 吹田市山田丘2-2
TEL: 06-6879-3434/FAX: 06-6879-3439
※ご連絡の際には、お名前/大阪大学医学部附属病院の診察券番号/拒否する研究のタイトルをお知らせいただければ幸いです。
共同研究機関および担当者:富士フイルム株式会社 
R&D統括本部メディカルシステム開発センター IT開発グループ 桝本 潤
富士フイルム株式会社R&D統括本部 画像技術センター 北村嘉郎