研究業績

肺高血圧症・遺伝性出血性血管拡張症等の病因解明のための遺伝子解析 (大阪大学研究倫理審査委員会: 承認番号493)

研究課題名 肺高血圧症・遺伝性出血性血管拡張症等の病因解明のための遺伝子解析
(大阪大学研究倫理審査委員会: 承認番号493)
目 的 PPH(原発性肺高血圧症) を主として広くPAH(肺動脈肺高血圧症)全体と、さらにHHT(遺伝性出血性毛細血管拡張症)1 型、HHT2 型を含むPAVF(肺動静脈瘻)・HHT を研究対象とし、その原因遺伝子の発見を目指すと共に、遺伝子変異の有無と臨床病態を対比して、本症の診断、病型分類を行う可能性を追求し、より合理的な治療法の開発につながる知見を得ることをめざす。
研究機関名 主任研究施設:国立循環器病研究センター
協力研究施設:大阪大学
対象 臨床的にPAHおよび類縁の遺伝子変異が病因として想定されうる肺血管疾患(以下PAH等)と診断される患者、PAVFあるいはHHT(以下HHT等)と診断される患者、及びその血縁者のうち、遺伝的病因の解析研究への協力に同意される患者・血縁者を対象とする。
方法 血液を通常の方法で最大限10ml採血する。その血液からDNAをとりだして、肺高血圧症・出血性血管拡張症等に関係する遺伝子の変化の有無を検索する。また、手術時に取り除く動脈などの組織の一部を用いて、これらの細胞からDNAあるいはRNAをとりだして、肺高血圧症・出血性血管拡張症等に関係した遺伝子の変化の有無を調べて原因となる遺伝子を探索する。また、これまでにわかっていない未知の遺伝子変異については、それを明らかとするために全ゲノムシークエンス(遺伝子全ての配列を解析すること)やエクソーム解析(ゲノムの中で体を作るタンパク質をきめる情報の部分だけを解析すること)を行うことがある。この場合、本研究の対象疾患である肺高血圧症・出血性血管拡張症等に関する遺伝子異常を明らかにする目的で解析を行う。
今回の解析はすべて国立循環器病研究センターに試料提供を行い、同施設で解析を行う。当院から国立循環器病研究センターへ提供される試料については、外部委託に提供されない。
医学的意義、
社会的意義
あるいは社会的効果
動脈瘤に対するコイル塞栓術では、再開通や再増大のリスクを低減させるために、瘤内に密にコイルを充填させることが重要とされる。内臓動脈瘤は特にサイズが大きいものが多く、通常の離脱式コイルのみでは十分に密な塞栓を得ることが難しい。脳動脈瘤ではハイドロゲル・コーティングコイルを使用することで、平均充填率の上昇や再開通率の低減を認めており、内臓動脈瘤でも同様の効果が期待できる。本試験の結果は、今後の内臓動脈瘤の治療に対する道標となる可能性がある。
プライバシーの確保に関する対策 連結不可能匿名化された個人情報は情報提供施設である当院よりデータセンターである久留米大学に提供されるが、さらにそこで施設毎の匿名化が行われる。このデータは、久留米大学でセキュリティー管理(コンピュータのロック、個人認証、暗号化ソフト、戸締り)により厳重に保管される。
本研究の結果を医学学術集会や医学論文に発表する場合、患者の氏名やイニシャルなど個人が特定できる情報は公表せず、完全に匿名化がなされる。
問い合わせ先 大阪大学放射線医学教室 小野 祐介(当院実務担当者)、大須賀 慶悟(当院研究責任者)
当研究の対象に該当される方で、研究への参加をご同意いただけない場合は、問い合わせ先にご連絡下さい。