研究課題名 | 体幹部用膨潤型ハイドロゲル・コーティングコイルを用いた血管塞栓術の有効性と安全性の臨床評価:多施設共同研究(ランダム化比較試験) (大阪大学医学部附属病院臨床研究倫理審査委員会: 承認番号13196) |
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目 的 | 内臓動脈瘤に対する瘤内塞栓術における膨潤型ハイドロゲル・コーティングコイルを用いた塞栓術の安全性および治療効果(再開通抑制効果)について,ベア・プラチナコイルのみを用いて治療した群を比較対照として検討することを目的とする。 |
研究機関名 | 主任研究施設:大分大学 協力研究施設:大阪大学、久留米大学、奈良県立医科大学、慶応大学、平塚市民病院、滋賀医科大学 |
対象 | 20歳以上(同意書取得時点)で、瘤内塞栓術にて治療が可能な内臓動脈瘤の症例を対象とする。 血液検査で白血球が2000以上かつ顆粒球が1000以上(易感染性がない)、血小板が5万以上、PT-INR 1.5未満(出血傾向がない)、心機能や腎機能が保たれている患者、を対象とする。 活動性の感染症や重篤なアレルギーのある、もしくは制御が困難な悪性腫瘍の患者は、治療の安全性の問題から試験への参加は見合わせる。 |
方法 | まず登録患者を、無作為化割付という方法で、ハイドロゲル・コーティングコイル群(主にハイドロゲルコイルを使用)とベア・プラチナコイル群(ベア・プラチナコイルのみを使用)の2群に割り付ける。 まずコイル塞栓術前の1ヶ月以内に採血検査,血管病変評価の為の画像検査(CT,MRI,血管造影)を施行する。血管病変に対し、経カテーテル的に上記により決定されたコイルを使用して塞栓術を行い、治療後は血管造影にて病変部の塞栓効果を確認の後,入院中に採血,胸腹部単純X線写真等で処置早期の有害事象の有無を確認する.退院後は外来にて1ヵ月後,3ヵ月後,6ヵ月後,12ヶ月後に造影CTおよび造影MRI検査を施行し,1年後,2年後に血管造影検査を施行し,病変部の塞栓状態および晩期合併症の評価を行う. |
医学的意義、 社会的意義 あるいは社会的効果 |
血管病変に対するコイル塞栓術では、再開通のリスクを低減させるために、病変内に密にコイルを充填させることが重要とされる。しかし、血管径の大きな病変では、通常の離脱式コイルのみでは十分に密な塞栓を得ることが難しい。脳動脈瘤ではハイドロゲル・コーティングコイルを使用することで、平均充填率の上昇や再開通率の低減を認めており、血管病変でも同様の効果が期待できる。本試験の結果は、今後の血管病変の治療に対する道標となる可能性がある。 |
プライバシーの確保に関する対策 | 連結不可能匿名化された個人情報は情報提供施設である当院よりデータセンターである久留米大学に提供されるが、さらにそこで施設毎の匿名化が行われる。このデータは、久留米大学でセキュリティー管理(コンピュータのロック、個人認証、暗号化ソフト、戸締り)により厳重に保管される。 本研究の結果を医学学術集会や医学論文に発表する場合、患者の氏名やイニシャルなど個人が特定できる情報は公表せず、完全に匿名化がなされる。 |
問い合わせ先 | 大阪大学放射線医学教室 小野 祐介(当院実務担当者)、大須賀 慶悟(当院研究責任者) 当研究の対象に該当される方で、研究への参加をご同意いただけない場合は、問い合わせ先にご連絡下さい。 |