研究業績

CT画像を用いた筋肉・脂肪の自動定量評価の構築と性能評価の検討

1.研究の対象

2010年1月~2017年12月に当院で食道癌の精査目的でCT検査を受けられた方

除外基準:
・食道癌のない方
・20歳未満の方
・予後データの得られない方(当院で治療を受けず早期に転院した方など)
・CT画像が不十分な方
・その他、研究責任者・研究分担者が不適と認めた方

2.研究目的・方法

目的はCT画像を用いて筋肉、脂肪の量を自動計測する人工知能(ソフトウェア)を構築することです。また、得られた定量値と予後との影響を検証します。この人工知能が構築できれば、評価者の負担なく定量値が得られ、より広く筋肉・脂肪の定量評価が普及すると思われます。
方法としてはCT画像の一部を手動で筋肉・脂肪のセグメンテーション(色分け)を行って教師データとします。教師データをトレーニング群とテスト群に分け、自動で筋肉・脂肪のセグメンテーションを行う人工知能のトレーニングを行います。人工知能により得られた筋肉・脂肪などの定量値と全生存率などの予後データとの間に有意な相関がないか、統計学的に検証します。研究機関は研究機関の長の許可日~2028年12月31日になります。

3.研究に用いる試料・情報の種類

情報:
① 基本情報:年齢、性別、身長(cm)、体重(kg)、BMI(kg/m2)など
② 生活歴:喫煙歴、飲酒歴など
③ 食道癌の情報:ステージ、治療内容など
④ CT画像
⑤ 予後情報:最終確認日、イベント発生日、イベント:死亡(死因を含む)など

試料:なし

4.外部への試料・情報の提供

共同研究機関のキヤノンメディカルシステムズ株式会社に匿名化した情報を提供します。大阪大学大学の研究者とキヤノンメディカルシステムズ間のデータの授受は、キヤノンメディカルシステムズが契約するクラウド(Box)を用いて行います。データの受け渡しが終わった後はクラウド上のデータは速やかに削除します。

5.利益相反について

本研究は、キヤノンメディカルシステムズ株式会社からの共同研究費で設置された研究室において、実施されます。また、同社から解析ソフト(人工知能)の開発のために労務提供を受けます。
研究を行うときにその研究を行う組織あるいは個人(以下「研究者」という。)が特定の企業から研究費・資金などの提供を受けていると、その企業に有利となるように研究者が研究結果を改ざんあるいは解釈したり、また都合の悪い研究結果を無視するのではないかという疑いが生じます。(こうした状態を「利益相反」といいます。)   
この研究における利益相反は、大阪大学大学院医学系研究科・医学部臨床研究利益相反審査委員会による審査を受け、承認を得ています。我々はその審査結果に基づき、利益相反を適正に管理して研究を行います。

6.研究組織

研究代表者
大阪大学大学院医学系研究科 放射線統合医学講座 放射線医学 秦明典

共同研究機関及び研究責任者
キヤノンメディカルシステムズ株式会社 研究開発センター 先行技術研究部 インフォマティクス担当 中津川実

7.お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

医学系研究科放射線医学統合講座放射線医学
住所: 〒565-0871 吹田市山田丘2-15
TEL: 06-6879-3434/FAX: 06-6879-3439

研究責任者および代表者
医学系研究科放射線医学統合講座放射線医学 助教 秦 明典