研究課題名 | BCLC stage Cの進行肝細胞癌を対象としたソラフェニブと肝動脈化学塞栓療法(TACE)の併用療法の第Ⅱ相試験 (大阪大学医学部附属病院臨床研究倫理審査委員会: 承認番号13519) |
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目 的 | 進行肝細胞癌に対しソラフェニブと肝動脈化学塞栓療法(TACE)の併用療法の安全性と有効性を評価する。 |
研究機関名 | 大阪大学医学部附属病院 他(多施設共同臨床研究として実施) |
対象 | 1) 組織学的もしくは臨床的に肝細胞癌(ただし混合型を除く)であることが確認されている。 2) 肝切除術、穿刺局所療法(エタノール注入療法やラジオ波焼灼療法など)による治療で治療効果が見込めない。 3) 全身化学療法未施行である。 4) 20歳以上,75歳未満である。 5) 進行度分類(BCLC-stage)がCである(Vp3, 4は除く)。 6) 肝内病変を有し、肝病巣が予後決定因子と判断される。 7) ECOG Performance Status が0または1である。 8) 主要臓器機能が充分に保持されている。 9) Child-Pugh A (score 5-6点)である。 10) 前治療から少なくとも4週間以上が経過している(骨転移に対する放射線治療は2週間以上とする)。 11) 少なくとも8週間以上の生存が期待できる。 12) 患者本人から文書による同意が得られている。 |
方法 | 組織学的または臨床的に肝細胞癌と診断され、進行度分類(BCLC-stage)がCかつChild-Pugh Aの患者に対し、TACEを行い、TACE後4-28日よりソラフェニブの内服治療を開始する。その後病勢に合わせて適宜TACEを併用する。TACE前後はソラフェニブを中止する。プロトコール治療中止基準に該当するまで治療を継続する。予定症例数は32例。主要評価項目は、プロトコール治療完遂割合、副次的評価項目は、有害事象発生割合、全生存期間、無増悪生存期間、奏効割合とし、症例登録期間は2年、症例総研究期間は3年を予定している。 |
医学的意義、 社会的意義 あるいは社会的効果 |
ソラフェニブは進行肝細胞癌患者の生存期間を有意に延長することを示した初めての抗癌剤であり、標準治療として使用されているものの、その予後は生存期間中央値で6.5-10.7カ月と十分ではなく、より有用な治療法が求められている。肝病変が予後規定因子と考えられるBCLC stage C症例に対して、ソラフェニブ療法に肝動脈化学塞栓療法を併用することで、治療成績が向上する可能性がある。 |
プライバシーの確保に関する対策 | 登録にあたり、データセンターから各施設に、臨床試験データ管理システムで登録するために必要なIDおよびパスワードを発行する。各施設担当者はこのIDとパスワードを用いて臨床試験データ管理システムにログインし、登録を行う。本試験では、試験の科学的信頼性を維持するため中央登録時に患者のイニシャル・生年月日・年齢・性別・カルテ番号・施設名・担当医名を使用するが、登録時に使用された患者個人情報はデータセンターが管理するサーバー内で厳重に保管される。データセンターでは、登録施設から収集したCRFをデータセンター内に設置された鍵のかかる所定の書庫に厳重に保管する。またCRFのデータは研究代表者においてインターネットに接続していないコンピュータでも保管するため、全てのデータが消失する可能性はきわめて低い。なおCRFには個人情報は含まれていないため、CRFおよび同データを紛失したとしても個人情報は漏出しない。 |
問い合わせ先 | 大阪大学放射線医学教室 田中 会秀(当院実務担当者)、大須賀 慶悟(当院研究責任者)当研究の対象に該当される方で、研究への参加をご同意いただけない場合は、問い合わせ先にご連絡下さい。 |