研究業績

人工知能技術を利用した放射線画像診断支援システムの開発

1.研究の対象

2009年1月1日から2021年3月31日までの間に、大阪大学医学部付属病院、国立がん研究センター中央病院において、転移性骨腫瘍と診断された20歳以上の患者(疾患群)、及び転移性骨腫瘍と診断されていない20歳以上の患者(対照群)を、電子カルテ情報等を参考に収集する。尚、放射線画像とは、CT、MRI、PET-CT/MRI及びX線写真等を指し、いずれも各施設のPACSにDICOM形式で保存されている放射線画像データとする。具体的には、DICOM形式に含まれる画像情報領域と属性情報領域の内、画像領域情報と、属性情報領域の内の生年月日及び検査日時(各検査日時における年齢を計算するため)を研究の対象として抽出する。

2.研究目的・方法

本研究においては、人工知能技術を利用した転移性骨腫瘍の診断支援システムの開発を行うために、
(1)対象疾患を含む放射線画像に対するアノテーション付きデータセットの構築
(2)人工知能技術を利用した放射線画像診断支援アルゴリズムの開発と臨床的性能評価
を行う。
データセットの構築およびアルゴリズムの開発を行う。構築したデータセットは、共同研究機関(大阪大学大学院医学系研究科、国立がん研究センター中央病院、株式会社富士フイルム)の間で共有する。開発したアルゴリズムによる骨転移の臨床的性能を評価することを目的に、既に医師が診断した病変と直接比較するための遡及的な評価を行う。
尚,研究期間は,研究機関の長の許可日から3年とする.

3.研究に用いる試料・情報の種類

CT画像やMR画像,病歴・画像所見データなど.

4.外部への試料・情報の提供

本研究は大阪大学、国立がん研究センター中央病院と富士フイルム(株)との共同研究であり,国立がん研究センター中央病院と富士フイルム(株)へ画像検査データの提供がおこなわれます.画像検査データに関してはすべて匿名化がおこなわれ,個人の情報が特定できないように処理がおこわれます.

5.利益相反について

本研究は,富士フイルム株式会社との共同研究で実施されます.また,我々の講座は,同社の共同研究費を受けて運営しています.
研究を行うときにその研究を行う組織あるいは個人(以下「研究者」という.)が特定の企業から研究費・資金などの提供を受けていると,その企業に有利となるように研究者が研究結果を改ざんあるいは解釈したり,また都合の悪い研究結果を無視するのではないかという疑いが生じます.(こうした状態を「利益相反」といいます.)   
この研究における利益相反は,大阪大学大学院医学系研究科・医学部臨床研究利益相反審査委員会による審査を受け,承認を得ています.我々はその審査結果に基づき,利益相反を適正に管理して研究を行います.

6.研究組織

大阪大学大学院医学系研究科人工知能画像診断学共同研究講座
特任教授 堀 雅敏

国立がん研究センター中央病院
中谷 文彦(中央病院・骨軟部腫瘍・リハビリテーション科医長)

富士フイルム株式会社
桝本 潤(企業側研究統括)

尚,データセンターは,大阪大学大学院医学系研究科人工知能画像診断学共同研究講座に設置する.富士フイルム株式会社は人工知能を用いたソフトウェアの開発をおこなう.

7.問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい.ご希望があれば,他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で,研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい.また,試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので,下記の連絡先までお申出ください.その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません.

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

大阪府吹田市山田丘2-2 大阪大学大学院医学系研究科人工知能画像診断学共同研究講座
電話:06-6879-3432
担当者:堀 雅敏(研究責任者)

研究責任者:

大阪大学大学院医学系研究科人工知能画像診断学共同研究講座
特任教授 堀 雅敏