研究業績

縦隔腫瘤の組織診断、悪性度予測の為のCEST-MRIによる定量的画像診断法の確立

研究課題名 縦隔腫瘤の組織診断、悪性度予測の為のCEST-MRIによる定量的画像診断法の確立
(大阪大学医学部附属病院臨床研究倫理審査委員会: 承認番号16320)
目的 代表的な胸腺上皮性腫瘍として、胸腺腫および胸腺癌が挙げられる。病理所見に基づいたWHO分類により低リスク胸腺腫、高リスク胸腺腫、胸腺癌に分類することは、予後の観点において臨床的意義は高く、治療戦略を立てる上で非常に重要である。従って、これらの分類をCTやMRIを用いた画像診断により正確に予測できれば、臨床的に極めて有用な情報となる。しかしながら、画像所見のオーバーラップも多く、主観的評価のみでは鑑別困難なことが多いのも事実である。本研究は、MRIを用いたchemical exchange saturation transfer (CEST)イメージングという比較的新しい手法を胸部領域に応用し、胸腺上皮性腫瘍を定量的に解析することで、その悪性度や予後予測を可能にするイメージングバイオマーカーとなり得るかどうかを探索する。
方法 健常ボランティアに関しては、10名の募集を予定している。その後、CESTイメージングの最適なMRI撮像パラメータが整えば、当院呼吸器外科の協力の元、縦隔腫瘍の術前患者さんに対して、術前のルーチン検査にCESTイメージングを追加撮像する形で検査を実施する予定である。対象者に対して、本研究の目的・方法・その他について書面を用いて説明し、署名による同意を得る。通常の胸部MRI検査で行われる撮像法に加えてCESTの画像を取得し、CEST効果と悪性度や予後との関連性を検討する。
医学的・社会的意義 MRI検査の診断能向上に寄与する可能性がある。
問い合わせ先 研究責任者:梁川 雅弘
大阪大学医学部附属病院 放射線診断・IVR科 助教
住所:〒565-0871 吹田市山田丘2-2
TEL: 06-6879-3434/FAX: 06-6879-3439