研究業績

放射線検査による被ばく管理

1.臨床研究について

大阪大学医学部附属病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、大阪大学医学部附属病院放射線部では、放射線検査による放射線被ばくに関する「臨床研究」を行っています。

今回の研究の実施にあたっては、大阪大学医学部附属病院倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、令和4年3月30日までです。

2.研究の目的や意義について

放射線検査による被ばく線量を管理するために、各病院で線量計算が行われていますがそのためには撮影条件の入力が必要になります。本研究は、撮影された画像から線量管理の点で適切な撮影条件を求め、それを実際に入力された撮影条件と比較するというものです。このことにより常に最適な条件により線量解析することが可能になり、線量管理の精度が向上します。

3.研究の対象者について

令和2年4月1日から令和2年9月30日までに撮影された放射線検査(CT, 血管造影、PET-CTなど)が対象です。

4.研究の方法について

この研究を行う際は、病院内のPACSサーバー(=画像を保存している装置)より放射線検査画像を取得します。この放射線検査画像には線量、画像取得日時、年齢、性別、体重、病変の位置を含みます。画像に含まれている患者さんの生年月日の情報は削除し、患者さんのお名前、IDは個人情報に紐づかない研究独自のIDに変更します。なおこの研究独自のIDと患者さんの実際のIDとの対応表は紙にて作成し、この紙は鍵のかかる場所に保存します。

上記のようにして匿名化された画像より、機械学習を用いて撮影条件を求めます。さらに実際の撮影時に入力された撮影条件と比較し、線量管理上最適な撮影条件設定を求めます。

5.個人情報の取扱いについて

対象となる放射線検査画像については、患者さんの生年月日の情報は削除し、患者さんのお名前、IDは個人情報に紐づかない研究独自のIDに変更します。研究独自のIDと患者さんの実際のIDとの対応表は紙にて作成し鍵のかかる場所に保管します。この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。

この研究によって取得した情報は、大阪大学放射線診断・IVR科・教授・富山 憲幸の責任の下、厳重な管理を行います。

6.情報の保管等について 

この研究において得られた研究対象者の情報(放射線検査画像)は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、大阪大学大学院医学系研究科放射線医学講座において、同講座教授・富山憲幸の責任の下、10年間保存した後、データの消去を行います。

また、この研究で得られた研究対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

7.研究に関する情報や個人情報の開示について

この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。

8.研究の実施体制について 

この研究は以下の体制で実施します。

研究実施場所 大阪大学医学部附属病院 放射線診断・IVR科 / 放射線部
研究責任者 大阪大学大学院医学系研究科 放射線医学講座・教授・富山憲幸

9.相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。

事務局(相談窓口) 担当者 大阪大学医学系研究科放射線医学  田中 壽
連絡先 〔TEL〕06-6879-3434
〔FAX〕06-6879-3439
メールアドレス tanaka@radiol.med.osaka-u.ac.jp