研究業績

当院における肝細胞癌に対する新しい薬液混合用デバイスを用いた動脈化学塞栓療法(TACE)の有用性~従来デバイスとの比較~ に関する研究

1.研究の対象

2017年1月~2022年9月に当院で肝細胞癌(HCC)に対して経カテーテル的動脈化学塞栓療法(TACE)を受けられた方のうち、新たに出現したHCCに対してTACEが行われた方が対象となります。

2.研究目的・方法

HCCに対する治療の一つにTACEがあり、現在まで幅広く行われてきています。TACEに通常用いる薬剤として、油性造影剤(Lipiodol:治療後CTで白く描出される)と水溶性抗癌剤の混合液を使用します。近年、この水と油の混合液を安定化させるデバイスが開発され、当院でも最近はこのデバイスを使用してTACEを行っています。
動物実験においては、新しいデバイスを用いることで、より高い治療効果が見込めることは知られていますが、日常診療においてもその有用性を検討するため、本研究では、新しいデバイスを用いたTACEと、従来デバイスを用いたTACEの、治療成績や安全性を比較検討したいと考えています。
TACEが行われたHCCの症例に対し、造影CTもしくはMRIを用いて術前および術後(およそ3ヶ月後)の画像を比較し、TACEにおける直接治療効果を検討します。また治療対象病変の再発の有無や、全生存期間、副作用や合併症についても検討します。

研究期間:研究機関の長の実施許可日~2026年3月31日
利用または提供を開始する予定日:2025年3月

3.研究に用いる試料・情報の種類

情報:年齢、性別、肝機能に関わる血液検査、CT/MRI画像(治療効果判定)等

4.外部への試料・情報の提供

本研究は当院のみで行われるため、外部への情報の提供を行う予定はありません。また、試料は用いません。

5.研究組織(利用する者の範囲)

研究責任者は、大阪大学大学院医学系研究科 放射線統合医学講座 放射線医学 小野祐介です。
研究組織は当科のみとなります。

6.お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

また、情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先(研究責任者):

大阪大学大学院医学系研究科 放射線統合医学講座 放射線医学 小野祐介
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2 電話:06-6879-3434(放射線科医局直通)