診療案内

血管奇形(血管腫)の集学的診療

Osaka University Vascular Anomaly Conference(OUVAC)

診療内容紹介

血管奇形は先天性の血管形成異常で、比較的稀な病気です。病変血管の種類によって、血流の速いタイプの動静脈奇形(AVM)と血流が遅いタイプの静脈奇形や、毛細血管奇形・リンパ管奇形(リンパ管腫)などがあります。ほとんどの症例が「血管腫」と呼ばれていますが、真の良性腫瘍である血管腫と血管形成異常である血管奇形は厳密には異なり、治療方針も違うので正しい診断が大切です。

血管奇形は、頭頸部・四肢・体幹部などあらゆる部位に発生し、小児期に気付かれるものから成人後に発症するものまで様々です。成長とともに進行し、思春期や女性の妊娠時に悪化しやすい傾向があります。病変の増大に伴い、疼痛・腫脹・機能障害・皮膚潰瘍・出血などの症状が現れると治療が必要です。病変の部位や大きさによっては、手術で完全に取り切れずに再発することもあるため、最近は体に傷を残さない血管内治療の役割も大きくなっています。
image6_5血管内治療は、インターベンショナル・ラジオロジー(IVR)を専門にした放射線科医によって超音波や血管造影装置を用いて行われます。通常数日~1週間の入院が必要です。

病変の種類によってカテーテル塞栓術あるいは硬化療法を行います。カテーテル塞栓術は太ももの付け根や腕の動脈や静脈から局所麻酔で1−2mm径のカテーテルを病変血管に選択的に挿入し、塞栓物質を流して病変血流を止めることにより、病変の縮小や症状の改善を図ります。硬化療法は、病変部を皮膚から細い針で直接穿刺して硬化剤と呼ばれる薬液を注入し病変の血栓化及び縮小を図ります。必要に応じてカテーテル塞栓術と硬化療法を組み合わせることもあります。

副作用として、治療後約2週間は炎症を起こして疼痛・腫脹が見られるため、鎮痛剤や抗生物質を投与します。病変周囲の正常組織に治療の影響が強く及んだ場合は、皮膚潰瘍・壊死、神経障害(知覚障害や麻痺)など合併症のリスクがあり、いかに病変に限局した治療を行うかが重要です。

本邦では、血管奇形を専門に扱う施設は非常に少なく、適切な診療体系が確立されていないのが現状です。血管内治療・外科手術・レーザー治療・保存療法など、個々の血管奇形のタイプや病変部位と症状に応じた治療が必要です。当院では、形成外科・整形外科・小児外科・耳鼻咽喉科・脳神経外科・病理診断科など関連診療科と症例検討会OUVAC(Osaka University Vascular Anomaly Conference)を重ね、集学的診療に努めています。

患者さん毎に病状は異なるため、実際の治療適応については担当医とよく相談して決める必要があります。

OUVAC2017(白抜き)

診療体制

血管奇形に関するご相談・診察は、放射線科IVR外来:月曜日 午前・午後、及び木曜日 午前